「中止」と「廃止」。
この2つの言葉、似ていますよね…。
ですが、「試合を中止する」といいますが、「試合を廃止する」とはいいません。
また、「校則を廃止する」とはいいますが、「校則を中止する」とはいいませんよね。
これは、似てはいますが、明らかに違いがあるということ。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「中止」と「廃止」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「中止」と「廃止」の意味の違い!
まずは、「中止」と「廃止」の意味の違いを端的にお伝えします。
「廃止」とは、今まであった制度や設備などをなくすこと。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「中止」の意味とは!
「中止」は、中途でやめること、また、予定されていたことをやめること。
「廃止」との違いは、「廃止」は「なくす」に対し、「中止」は「やめる」です。
「やめる」ということは、「終わる」または「しない」「やらない」ということ。
要するに、有る物をなくすのが「廃止」、やることをやらないのが「中止」です。
ですから、「物」と「事」の違いということもできますね。
「中止」は様々な使い方がありますが、たとえば「イベント」などで使います。
現在行っているイベントであれば、「本日のイベントは、機器にトラブルが発生したことから急遽中止とします」といった使い方。
また、現在進行形ではない未来の予定のイベントの場合、「来月予定しておりましたイベントは、出店企業の都合により中止することとなりました」といった使い方をします。
②「廃止」の意味とは!
「廃止」は、今まであった制度や設備などをなくすこと。
「中止」は様々な「事」に対し幅広く使われる言葉ですが、「廃止」は「制度」「設備」「習慣」などが対象となります。
これが、一つの特徴。
ですから、前の項目であげた「イベント行事」は「廃止」の対象にはなりません。
そして、「廃止」のもう一つの特徴は「なくす」という部分。
「なくす」ということは「無い状態にする」ことですので、捨ててしまうということもできます。
ですから、やることをしない「中止」に対して、有る物を捨ててしまうのが「廃止」ということ。
「廃止」は、具体的には「時代にそぐわない校則の廃止」といった使い方をします。
これは、変な校則は今の時代に合わないので捨て去ってしまうということ。
まさに、制度をなくしてしまうということですね。
③「中止」と「廃止」の違いを整理!
それでは、ここで一度「中止」と「廃止」の違いを整理します。
中途でやめる、また、予定されていたことをやめるのが「中止」。
今まであった制度や設備などをなくすのが「廃止」。
「しない」「やらない」「終える」のが「中止」、「なくす」「捨てる」のが「廃止」です。
2.「中止」と「廃止」の辞書での意味!
続いて、辞書による「中止」と「廃止」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「中止」の辞書での意味!
【中止】
・中途でやめること。また、予定されていたことをとりやめること。「雨天―」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりですね。
②「廃止」の辞書での意味!
【廃止】
・今まであった制度・設備などをなくすこと。「虚礼―」「在来線の―」↔存置
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
3.「中止」と「廃止」の使い方!
次に、「中止」と「廃止」の使い方を例文で紹介します。
①「中止」の使い方!
・ドキュメンタリー映画の上映中止が決まった。
・アジア太平洋経済協力会議の首脳会議の開催を中止した。
・委託先を選定するためのプロポーザル手続きを中止した。
・新潟シティマラソンが大会史上初めて中止となった。
②「廃止」の使い方!
・全国転勤を原則廃止する企業が出てきています。
・再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を廃止する検討を始めた。
・火力発電所を将来的に廃止する方向で検討している。
・ミニバンが、近年3列目シートを廃止し定員を減らしたモデルが増えている。
4.「中止」や「廃止」には似た意味の言葉がたくさんある!
「中止」や「廃止」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「中止」と「廃止」の意味の違いと使い分けについてでした。
「中止」は、中途でやめること、また、予定されていたことをやめること。
「廃止」は、今まであった制度や設備などをなくすこと。
「中止」は「行事」「計画」「業務」などやるものが対象ですが、「廃止」は「制度」「習慣」「設備」など有る物が対象です。