「特殊」と「特別」。
似ていて、まぎらわしですよね…。
といいますか、同じ意味では?と思ってしまいます…。
たとえば…。
「特殊な加工」
「特別な加工」
というように、どちらも違和感はありません…。
しかし!
「今日は特別に暑い」とはいいますが、「今日は特殊に暑い」といいません…。
ということは、「特殊」と「特別」には違いがあるということ??
そういったわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「特殊」と「特別」には決定的な違いがありました!
本記事では、「特殊」と「特別」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「特殊」と「特別」の意味の違い!
最初に、「特殊」と「特別」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「特別」とは、普通のものと区別されること。
一言で表現すると、こういった違いです。
「カテゴリー外」が「特殊」で、「同一カテゴリー内」が「特別」といった説がありますが、実はそうではありません。
それでは、その辺も含めてさらに詳しく紐解いていきますね。
①「特殊」の意味とは!
「特殊」は、平均を超えていること、また、普通ではないこと。
誰が見ても一般的ではない、普通ではないものが「特殊」です。
たとえば、「この機器は特殊な加工をほどこしていて水に強い」といった使い方をします。
これは、普通ではない加工のこと。
つまり、普通は水が入ることで壊れる機器なのですが、壊れないような加工をしているということですね。
このように、客観的に誰がどう見たって普通でないもの、誰がどう見ても平均を超えているものが「特殊」です。
ちなみに、これは「普通のものと区別される」加工をほどこしていますので、「特別」に言い換えることができます。
「この機器は特別な加工をほどこしていて水に強い」
この例文でも、違和感がありませんよね…。
では、「特殊」と「特別」では何が違うのか、それは次の項目を読んでいただくとよくわかりますよ。
②「特別」の意味とは!
「特別」は、普通のものと区別されること。
「区別される」「区別する」というところがポイントです。
「区別」とは、人が判断して分けるということ。
ですから、先ほどの例文で「この機器は特殊な加工をほどこしていて水に強い」の場合。
これは、その加工方法を人が判断して分けて行ったということでもあります。
そういったわけで、「この機器は特別な加工をほどこしていて水に強い」といったように「特別」に置き換えることが可能となるのですね。
では、「特殊」と「特別」の違いは何か?それは、以下の例文を読んでください。
「本来は入場できないのですが、特別に許可します」
このケースは、普通の人は入場不可能なのですが、人が判断して入場を許可したということ。
要するに、この許可された人は一見「普通」であるにもかかわらず、入場を許可されたのです。
これは、許可した人が入場希望者の事情など確認して「普通ではない」と判断したということ。
客観的に誰がどう見ても普通ではないものではなく、このように、人が主観的に判断する普通ではないものもが「特別」です。
ちなみに、この場合は「特殊」に置き換えができません。
「本来は入場できないのですが、特殊に許可します」
これだと、変ですよね。
このように、人が主観的に判断して普通と分けるのが「特別」です。
「この木は自分にとって特別なのです」
「あなたに対する特別な気持ち」
「髪が特別長い」
「今日は特別暑いな~!」
こういった「特別」は、その人の判断で区別していますので、「特殊」に置き換えることはできません。
③「特殊」と「特別」の違いを整理!
それでは、ここで一度「特殊」と「特別」の違いを整理します。
平均を超えている、また、普通ではないことが「特殊」。
「特殊」は、客観的に普通でないものが該当します。
普通のものと区別されることが「特別」。
「特別」は、主観的な判断による普通でないものが該当します。
2.「特殊」と「特別」の辞書での意味!
続いて、辞書による「特殊」と「特別」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「特殊」の辞書での意味!
【特殊】
・ふつうと違って特別であること。また、そのさま。「―な事例」↔一般・普通
引用元:旺文社国語辞典
内容に「特別」とありますが、「特別」に置き換えることができるものもあるということですね。
②「特別」の辞書での意味!
【特別】
①ふつう一般のものとは区別されること。また、そのさま。格別。「―に扱う」
②一般のものと区別して扱うさま。とりたてて。特に。「今日は―寒い」
引用元:旺文社国語辞典
意味①が名詞・形容動詞で、意味②が副詞。
ポイントの「区別」が記載されています。
3.「特殊」と「特別」の使い方!
次に、「特殊」と「特別」の使い方を例文で紹介します。
①「特殊」の使い方!
・特殊な微生物が掘り尽くした鉱山。
・スマートキーから発信される微弱な電波を特殊な装置で受信する。
・太史令という職が地味な特殊な技能を要するものだった。
・建設現場では、高所での特殊な作業をする事が多い。
・特に君主や貴族などがある場合、特殊な料理が発達する例が多い。
②「特別」の使い方!
・相手に対し、特別な感情を抱いているフシがありました。
・うちの会社が、特別に問題があったとは思っていません。
・普段のプレゼントをより一層特別なものへと変えてみませんか?
・意思表示ができないなどの特別な事情により被保険者が請求できない。
・自分たちで育てた野菜は特別美味しい。
4.「特殊」や「特別」には似た意味の言葉がたくさんある!
「特殊」や「特別」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「特殊」と「特別」の意味の違いと使い分けについてでした。
「特殊」は、平均を超えていること、また、普通ではないこと。
「特別」は、普通のものと区別されること。
「特殊」と「特別」は、意味が重なる場合もあります。
ただし、使い分けをする場合は、「客観的であるのか」また「主観的な判断なのか」といった部分がポイントです。
ちなみに、客観的なのが「特殊」で、主観的なのが「特別」です。