「調整」と「修正」。
まぎらわしいですよね…。
でも、「テレビ音量を調整する」とはいいますが、「テレビ音量を修正する」とはいいません…。
また、「文字の間違いを修正する」とはいいますが、「文字の間違いを調整する」とはいいません。
これは、「調整」と「修正」は似ているようで、明確な違いがあるということ…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「調整」と「修正」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「調整」と「修正」の意味の違い!
最初に、「調整」と「修正」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「修正」とは、間違いなどを正しく直すこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「調整」の意味とは!
「調整」は、程よい状態にすること。
良い感じにととのえるということですね。
たとえば、「テレビの音量を調整する」といった使い方をします。
これは音量が大きすぎて不快だと思った時や、音量が小さすぎて聞きとりにくい時に「調整」して程よくするということ。
「調整」は程よい状態にすること、そして「修正」は直すことですので、すごく似ています。
ですが、違いがありますよ。
「修正」は直した先のゴールがハッキリしている場合が多いのですが、「調整」はゴールがハッキリしていません。
たとえば、文字の「修正」であれば「正しい文字」というゴールがあります。
しかし、音量の「調整」は、どの程度の音量が程よいのかは、その音量にしてみないとわかりませんよね。
また、「会議の日程調整」であっても、どの日が適切なのかというのは最初からわかるわけではありません。
つまり、ゴールは不明なのです。
会議の日程は、会議の参加者や会場の都合など、色々と確認することで定まってくるのですね。
②「修正」の意味とは!
「修正」は、間違いなどを正しく直すこと。
また、直すものは「間違い」の他に、「不十分なもの」や「方向」「方針」「軌道」などがあります。
そして、前の項目でも説明しましたが、ゴールが見えない「調整」と比べて「修正」は直す先がハッキリしている場合が多いのも一つの特徴。
具体的な例で説明しますね。
まずは、「間違い」の「修正」。
「間違い」を直すといえば、文字の書き間違いがあります。
こういった場合は「原稿を修正します」といった使い方。
そして、「正しい文字」というゴールがあります。
それから、「不十分なもの」の「修正」といえば、仕事で作成される企画書など。
上司に企画書の案を見せた時に、「○○が足りない」とか「○○の項目をつけ足して」といった指導が入ります。
そういった意向に基づいて企画書を直すこと、これが「不十分なもの」の「修正」。
そして、この「修正」も「上司の意向」という直すべきゴールがハッキリしています。
「方向」「方針」「軌道」については、それぞれ「方向を修正する」「方針の修正」「軌道修正」といった使い方をします。
「修正」は文章などの「書いたもの」だけではなく、「発言」「行動」など様々なものに使われます。
③「調整」と「修正」の違いを整理!
それでは、ここで一度「調整」と「修正」の違いを整理します。
程よい状態にするのが「調整」。
間違いなどを正しく直すのが「修正」。
「修正」は直す先があってそこへ向かうのですが、「調整」は先がハッキリしていない場合が多くなります。
2.「調整」と「修正」の辞書での意味!
続いて、辞書による「調整」と「修正」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「調整」の辞書での意味!
【調整】
・ほどよい状態にすること。具合よくととのえること。「時間の―」「音量を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
②「修正」の辞書での意味!
【修正】
・まちがいや、不十分な点を直して正しくすること。「―案」「軌道を―する」
引用元:旺文社国語辞典
内容は説明どおりです。
3.「調整」と「修正」の使い方!
次に、「調整」と「修正」の使い方を例文で紹介します。
①「調整」の使い方!
・国際オリンピック委員会の調整委員会が東京都内で始まりました。
・ドールのバランス調整のため以下のとおりメンテナンスを実施する。
・時間調整のため、1分ほど停車します。
・意見の違いが少しあるので調整している。
②「修正」の使い方!
・離脱延期の要請を強制する修正案を可決した。
・強硬路線を修正するような姿勢を見せている。
・日銀は緩和策からの軌道修正を行うべきか。
・試合では後半に修正してそれができたのは良かった。
4.「調整」や「修正」には似た意味の言葉がたくさんある!
「調整」や「修正」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「調整」と「修正」の意味の違いと使い分けについてでした。
「調整」は、程よい状態にすること。
「程よい」という、見えないゴールを目指してととのえます。
「修正」とは、間違いなどを正しく直すこと。
「正解」や「十分」といった、ゴールを目指して直します。