「予想」と「想像」。
似ていて、まぎらわしい…。
自分の頭の中では、キチンと使い分けしているつもりですが…。
では、何がどう違うのか説明しろと言われれば、…ん…??
確かに…、「明日の天気を予想する」でも「明日の天気を想像する」でも、違和感はありません…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
まぎらわしいのですが、「予想」と「想像」には決定的な違いがありました!
本記事では、「予想」と「想像」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「予想」と「想像」の意味の違い!
最初に、「予想」と「想像」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「想像」とは、経験していない物事や、現実にはない物事などを頭の中に思い描くこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「予想」の意味とは!
「予想」は、物事の成り行きや結果を前もって見当をつけること。
「予想」のポイントとなるのが、「物事の成り行き」「物事の結果」と、「見当」という部分。
つまり、「物事の成り行き」「物事の結果」を「頭の中に思い描いて」、「見当」をつけるのです。
そして、「頭の中に思い描く」とありますので、「予想」は「想像」の中に一つであるということができるのですね。
「物事の成り行きを頭の中に思い描く」ということは、「経験していない物事を頭の中に思い描く」の「想像」と同じこと。
ですが、ただ「想像」するのではなく、「物事の成り行き」「物事の結果」といった限られた条件の中で行います。
さらに、「見当」をつけるとは、「見込み」をつけるということで、あまりにも現実離れした結果のことではありません。
現実に起こるであろうことを「想像」するのが、「見当」をつけるということ。
具体的な例で説明します。
たとえば、「明日はバーベキューですが、雨が降ると予想されますので、当日の朝に可否を連絡します」といったとしますね。
これは、天気に関する「成り行き」を、雨天になると「見当」をつけているわけです。
「明日の天気」といった限られた条件の中で、「晴れか降雨か」といった現実に起こるであろうことを「想像」しているということ。
ちなみに「想像」は、「予想」と違い、そういった条件はなくなりますので「真夏ではあるが、明日はもしかしたら大雪になるかもしれない」といったことも可能となるわけですね。
②「想像」の意味とは!
「想像」は、経験していない物事や、現実にはない物事などを頭の中に思い描くこと。
ただ頭の中に思い浮かべることではありません。
自分が経験したことのないことや、現実にはないことを思い描くのが「想像」です。
ですから、自分の記憶に残っている物事を思い浮かべるのは「想像」ではありませんよ。
たとえば、「遠い過去である小学生時代の思い出」を頭に思い浮べても、これは「想像」ではありません。
「思い出」は、経験したことですから。
ただし、「現実にはないことを思い描く」という意味もありますので、経験したとしても現実にないものを思い描く場合もあります。
たとえば、絵画などで「実物のリンゴを想像して、リンゴの絵を描く」といった使い方ですね。
この場合は、「思い出す」のではなく、「現実にないものをつくり出し、思い描く」ということ。
微妙ですが、違いますよ。
とういうことで、前の項目で説明した「未来の天気の予想」も、まだ経験していませんので「想像」の中の一つということです。
具体的な例で説明しますね。
たとえば、「江戸時代の食事を想像する」といった使い方があります。
江戸時代は経験出来ることではありませんし、その時代の食事は実際に食べることはできません。
そういったものを思い描くことが「想像」です。
おとは、「ドラゴンは想像上の生き物だ」といった使い方。
ドラゴンは実在しませんので、現実にはないものを思い描いています。
これが、「想像」ですね。
③「予想」と「想像」の違いを整理!
それでは、ここで一度「予想」と「想像」の違いを整理します。
物事の成り行きや結果を、前もって見当をつけることが「予想」。
経験していない物事や、現実にはない物事などを頭の中に思い描くことが「想像」。
「予想」も「想像」も、未経験のことを頭に思い描きます。
ですから、ある条件の中で見当をつける「予想」は、「想像」の中の一つといえます。
2.「予想」と「想像」の辞書での意味!
続いて、辞書による「予想」と「想像」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「予想」の辞書での意味!
【予想】
・物事のなりゆきや結果をあらかじめ推測すること。まや、その内容。「―が的中する」「勝敗を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容です。
②「想像」の辞書での意味!
【想像】
①実際に経験しないことやできないことを、心の中で思いうかべること。
②[心]既知の事実・観念を材料として、新しい事実・観念をつくるはたらき。
引用元:旺文社国語辞典
意味①は説明したおりの内容ですね。
意味②は心理学の専門用語で、内容的にはほぼ同じことを示しています。
3.「予想」と「想像」の使い方!
次に、「予想」と「想像」の使い方を例文で紹介します。
①「予想」の使い方!
・明日は公園駐車場の混雑が予想されます。
・個人投資家による株価予想。
・雨が止んでも河川や山など危険が予想される。
・東京五輪の代表に決まるだけに、各階級で激戦が予想される。
・過去8回の大会と同様、優勝チームを予想するのは難しい。
②「想像」の使い方!
・他国の実力が想像以上に伸びてきている。
・全国各地の想像を絶する台風被害。
・地獄の一夜を想像させる恐ろしい場面があった。
・作品に込められた物語に想像を膨らませ、その独特の世界観を堪能する。
・麒麟は想像上の動物で、龍や鳳凰と同じ。
4.「予想」や「想像」には似た意味の言葉がたくさんある!
「予想」や「想像」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「予想」と「想像」の意味の違いと使い分けについてでした。
「予想」は、物事の成り行きや結果を前もって見当をつけること。
現実に起きるであろうことを見込むのが「予想」です。
「想像」は、経験していない物事や、現実にはない物事などを頭の中に思い描くこと。
思い出すことは、「想像」ではありませんよ。