「廃棄」と「処分」、どちらも「捨てる」という意味だと思うのですが、違いや使い分けはあるのかな。
そういわれれば、意識して使い分けた記憶がない…。
ということで、今回は「廃棄」と「処分」の意味や違いなどについて調べてみました。
1.「廃棄」と「処分」の意味の違いと使い分けは?
まずは「廃棄」と「処分」を広辞苑で引いてみます。
①不用として捨て去ること。
②条約などの効力を失わせること。
【処分】
①基準に照らして処理すること。事柄に決まりをつけること。
㋐始末をつけること。
㋑財産を分与すること。
㋒処罰。
(以下省略)
上記の通り、「処分」とは始末したり処理することで、「廃棄」は不用品を捨て去ることです。
つまり、断捨離のときの「処分」の一つの方法が「廃棄」ということ、他にはリサイクルショップに売ったり知人に譲るなどの処分方法があります。
不用品を「処分」するというときには不用品をゴミに出すのか誰かに譲るのか、色々な方法がありますが、不用品を「捨てた」といったときには不要品の「処分」の方法に「廃棄」という手段を選んだということですね。
リサイクルショップで売ったり、知人に譲ることは「廃棄」とはいいません。
また「処分」は、「始末」や「処理する」といった意味の他に、㋑のとおり「遺産を分配する」といった意味も持っています。
さらに、「処分」の意味の一つ「処罰」の意味は、「停学処分」や「減給処分」という使い方で使用します。
「廃棄」は、捨てるほかに「一方の国が条約の効力をなくす」意味も持っていますが、捨てる意味に近いですね。
2.「破棄」と「廃棄」の意味の違いと使い分けは?
「破棄」とは「①やぶりすてること。やぶりこわすこと。また、やぶれこわれること。(広辞苑より)」という意味と、「②取決めなどを一方的に取り消すこと。(広辞苑より)」の主に二つの意味があります。
「破棄」と「廃棄」は似た言葉なのですが、違いは以下のとおりです。
まずは「捨てる」という意味では、「破棄」は「やぶって」捨てること、「廃棄」は原型をとどめたまま捨てることです。
なので「破棄」は簡単にやぶれる書類などに多く使われます。
書類をはさみで切り刻んだり、手でびりびりと破る、シュレッダーにかけるときには「破棄」といいます。
また、「破棄」は、元々はやぶって捨てることですが、そこから「原型をとどめずに」捨てることを「破棄」ということがあります。
たとえば、一度廃棄されたゴミを焼却することで「破棄した」と言います。
ですから紙以外の物でも、燃えるゴミには「破棄」、燃やせないゴミには「廃棄」と使い分けることもあります。
「捨てる」という意味以外では、約束を一方的に破るときには「破棄」、国際間で一方の国が条約の効力を失わせるときは「廃棄」を使います。
例えば「約束を破棄する」「婚約破棄」ですね。
また、法律用語では、「上級裁判所が、上訴に理由があるとして原判決を取り消すこと。(広辞苑より)」を「破棄する」といいます。
まとめ
以上が、「廃棄」と「処分」の違いなどについてでした。
不用品の処分には色々な方法があり、その方法の一つが「廃棄」です。
「廃棄する」というときには、不用品をゴミとして捨てるという意味です。
「破棄」と「廃棄」では、不用品をやぶり捨てたり原型をとどめずに捨てるときには「破棄」、原型をとどめたまま捨てるときには「廃棄」です。
なので、「破棄」は紙のゴミに使うことが多いです。
最近ではプライバシーの保護や情報漏えいを防止するために、書類はシュレッダーなどで破棄することが多いですね。
「捨てる」「始末する」について説明しましたが、その逆の「たもつ」方の言葉もまぎらわしいです。
たとえば、「保管」と「保有」の違いをご存知ですか?
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