車を買ったり、携帯電話の契約をしたり、あるいは海外のブランドものを買うとき、同じ商品が売られているのに、お店の看板には「代理店」とかいてあったり、「特約店」とかいてあったりしますよね。
この「代理店」と「特約店」ってどう違うの?
ということで、今回は「代理店」と「特約店」、それに「販売店」の違いや意味について調べてみました。
1.「販売店」とは何?意味は?
「販売店」とは、物を売る店のことで一般的な小売店のことです。
お客様と売買契約を結ぶときには、「販売店」自身が売買契約の当事者になります。
「販売店」は製造会社との関係は通常は独立しているのですが、お互いに販売店契約を結ぶ場合もあります。
そして、製造会社から仕入れた商品を売ります。
販売店は、仕入れた商品が売れないなどの損失や、販売した商品の代金回収責任を負います。
つまり、いくら仕入れて、どのくらい在庫を保有するのか、修理などのアフターサービスや商品の宣伝活動なども含め全て販売店が自己責任で行うということです。
また、特定の製造会社の商品しか扱わない販売店ありますが、こういった場合でもあくまでも自己責任で経営上のリスクを背負うことになります。
2.「特約店」とは何?意味は?
前項で解説した「販売店」のうち、製造会社と特別な契約を結んだ販売店が「特約店」です。
特別な契約とは、仕入れ価格を通常より安く設定する条件や、アフターサービスや宣伝活動を製造会社が行うといった条件などがあります。
製造会社と特約店は通常はお互いが独立していますので、お客様との商品の売買契約については販売店と同様で、特約店自身が売買契約の当事者になります。
特約店は、価格的にも有利な条件で仕入れができたり、製造会社から販売促進の支援を受けられるなどのメリットがありますが、他の製造会社の商品の取り扱いを禁じられるなどのデメリットもあります。
製造会社側は、販売支援をすることから特約店に対する支配力が強くなるほか、自社製品を独占的に販売してもらえるというメリットがありますが、アフターサービスや宣伝活動などを特約店に代わって行わなくてはいけないというデメリットもあります。
たとえば、車のディーラーと呼ばれるトヨペット、HondaCarsなどは正確には「特約店」です。
トヨペットやHondaCarsは、製造会社のトヨタやホンダと特約を結ぶことで、販売地域でのメーカーの正規取扱店となり、そのメーカーの車しか販売しません。
色々なメーカーの自動車を扱っているお店は「販売店」です。
メーカーから直接仕入れが可能なのは「特約店」だけという条件になっていますので、「販売店」は「特約店」であるディーラーから仕入れた車を販売しているのです。
「特約店」のディーラーは特約による制約があり販売価格などは売り主によって決められますが、「販売店」は自分で自由に価格を設定することができます。
3.「代理店」のとは何?意味は?
「代理店」とは、製造会社の代理として販売活動を行うお店のことです。
代理店と製造会社との関係は様々なのですが、一般的に代理店はあくまで「代理」なので、売買契約の当事者にはなりません。
代理店で商品を購入したお客様は、そのお店と売買契約を結ぶのではなく、代理店に販売活動を任せる側の製造会社と売買契約を結ぶのです。
つまり、代理店とは売買契約の仲介役ということですね。
代理店は販売実績に応じて、仲介料や手数料、紹介料を受け取るという仕組みです。
商品代金の回収やアフターサービスなどは代理店ではなく製造会社つまりメーカー側が行います。
代理店といえば、保険代理店もありますね。
保険代理店では、特定の保険会社1社だけの保険を取り扱っている代理店もあれば、複数の保険会社の保険を扱っている代理店もあります。
最近多い保険の窓口がこれですね。
また、自動車販売会社や旅行会社などが自動車保険や旅行保険などの代理店も兼ねて行っていることもあります。
自動車を販売する時についでに、自動車保険も紹介し合わせて契約することで、お客様自身も便利で助かるのですね。
自動車販売会社、保険会社、お客様、全てにとってありがたいわけです。
まとめ
以上が、「販売店」と「特約店」、「代理店」の意味や違いなどについてでした。
「販売店」と「特約店」で購入した場合、売買契約はそのお店、つまり「販売店」や「特約店」から購入した形になります。
「販売店」と「特約店」の違いは特約、つまり特別な契約の有無です。
「代理店」は一般的には「売り主の代理」という意味なので、売買契約はその「代理店」とお客様の間ではなく、お客様は製造会社から購入した形になります。
たとえば、保険代理店で保険を契約するときには、保険代理店と契約するのではなく、保険代理店が紹介した保険会社との間で結ぶのです。
「頒布」と「販売」の違いについては、下の記事を覗いてみてください。