「記号」と「マーク」って同じもの?それとも違うもの?
普段は意識して使い分けていないけど、改めて考えると、両者の違いってよくわかりませんね。
「記号」を英語にすると「マーク」なのかなあ?
ということで、今回は「記号」と「マーク」の違いなどについて調べてみました。
1.「記号」とは何?意味は?
まずは広辞苑を調べてみました。
・一定の事柄を指し示すために用いる知覚の対象物。言語・文字などがその代表的なもので、交通信号のようなものから高度の象徴まで含まれる。また、文字に対して特に符号類をいう。(一部省略あり)
ということで、「文字」も「符号」も「マーク」も全て「記号」に含まれます。
また、「文字」や「マーク」以外にも身振りや手振りも「記号」の一つです。
つまり、その「記号」一つで相手に一定の意味や意図を伝えることができるものを「記号」というのです。
地図記号も「記号」ですし、絵文字も「記号」です。
トイレの前についている男女のマークも「マーク」ではありますが「記号」の中の一つです。
また、頭の上に左右の人さし指を立てて「鬼のポーズ」「母さん、怒っているぞ」も「記号」の一種です。
2.「マーク」とは何?意味は?
マークは英語の「mark」で、英語での意味は、印・記号・符号・目印のことです。
日本での「マーク」とは、「記号」の中の一つで、企業のロゴや交通標識などを「マーク」ということが多いです。
ちなみに、広辞苑で「マーク」を引くと、以下のとおりです。
①しるし。記号。印をつけること。
②記録を出すこと。「最高点をマークする」
③目をつけること。継続して注目すること。「彼をマークする」
「マーク」は他の「マーク」や「記号」と組み合わせて使うのではなく、それ一つで意味が通じるものが多いです。
たとえば、三菱のマークのスリーダイヤモンド、これを見れば、特別な説明がなくても多くの人が「三菱」だと理解できます。
ということで、「記号」と「マーク」の違いをまとめると、「記号」>「マーク」、つまり「マーク」とは「記号」の中の一つで、「しるし」のことです。
また、「シンボルマーク」というように、その「マーク」を見ればどこの企業を意味しているのか、誰を意味しているのかが一目で分かるものが多いです。
3.「文字」とは何?意味は?「符号」は?
「文字」も「記号」の中の一つで、言語を表す記号のことです。
日本語でいう、漢字・ひらがな・カタカナが「文字」です。
韓国語のハングルや英語のアルファベットも文字ですね。
「符号」を広辞苑で引くと以下のとおりです。
①しるし。記号。あいじるし。
②特に、数の正負を示す記号。すなわち「+」あるいは「-」。
③情報を伝えるため一定の規則にもとづいて作られた単位信号の組合せ。
そのほかに、文字を除き、図形・音声・光・電波などのしるしのことを「符号」という場合もあります。
「符号」も「記号」の中一つなのですが、違いが今ひとつわかりにくいですよね。
「記号」と「符号」を使い分けるときには、目印としてのしるしは「符号」、一定の意味を持つしるしは「記号」ということが多いです。
つまり、自分と相手との間でだけ意味が通じるときには「符号」、社会や集団の中で一定の意味を持つしるしは「記号」です。
たとえば、地図を開き「ここに行くのよ」と相手に分かるように「○」をつける、この「〇」は「符号」です。
そして、地図上にある「お寺」をあらわす「卍」、これは地図記号なので「記号」です。
また、モールス符号や音符は「符号」に入ります。
英語でいう「コード」のことですね。
他にもJISコードやASCIIコードも「符号」の一種です。
また、数学では数の正負を表す「+(プラス)」「-(マイナス)」は符号、演算するときの「+」「-」は演算記号で「記号」です。
例)1 -(-1)=2
最初の青い「-」は演算記号、つまり「記号」です。
二つ目の赤い「-」は正負を表す「符号」です。
「記号」といえば、この記号「#」の名前は「ハッシュタグ」?「シャープ」?どっちだと思いますか?
実は、「ハッシュタグ」と「シャープ」は全くの別物!!詳細は下の記事をどうぞ。
まとめ
以上が、「記号」と「マーク」の違いなどについてでした。
広い意味での「記号」は、「マーク」も「文字」も「符号」も「記号」の一種です。
「記号」と「マーク」を使い分ける場合は、「マーク」とは「記号」の中の一つ、しるしのことで、「シンボルマーク」というようにそれを一目見て企業名などが通じるものをいいます。
「記号」と「符号」を使い分ける場合は、一般的には、集団の中で一定の意味をもつしるし、地図記号の「卍」「〶」などを「記号」、AさんとBさんの間でだけ意味を持つしるしや、音符・プラス・マイナスなどは「符号」です。
ただ、「記号」と「マーク」、あるいは「記号」と「符号」の違いや使い分けは、曖昧な部分が多いことも注意しなくてはいけません。
「記号」と「マーク」もまぎらわしいですが、「図」と「表」もまぎらわしことがあります。
「図」と「表」の違いについては、下の記事をご覧ください。