マリンバの演奏、格好いいですよね。
デパートの広場で演奏しているのを見て、思わず足を止めて見入ってしまったことがあります。
ところで、「マリンバ」と「木琴」ってなんとなく同じ楽器のことだと思っていませんか?
見た目が似ている「木琴」と「マリンバ」、実は意味が違うのです!
ということで、今回は「マリンバ」と「木琴」と「シロフォン」の違いなどについて調べてみました。
1.「マリンバ」と「木琴」の違いは?発祥は?
「木琴」とは、木製の音板を鍵盤状に並べてマレットで叩いて鳴らす楽器の総称です。
マレットとは、棒の先に丸い玉を付けたバチのことです。
木琴の発祥は、アフリカや東南アジアといわれています。
「マリンバ」とは木琴の一種で、アフリカ起源、ラテンアメリカで発展した楽器です。
地面に掘った穴に木の板をわたし、叩いて音を出したのが木琴の一種マリンバの起源、このとき木の板が発する音を穴で共鳴させる仕組みを発見したのですね。
その後、穴ではなく木の板に共鳴管となるひょうたんを付け、ひょうたんで音を響かせるマリンバの原型が発明されます。
南アフリカでは「マリンバという女神がひょうたんを付けた木琴をつくった」という伝説もあります。
マリンバの原型はその後、中南米へ渡ります。
その後、共鳴管はひょうたんから木製へ変化し、そして木製から金属製へ変わり、現在のマリンバの形になりました。
ということで、「木琴」と「マリンバ」の違いをまとめると、木製の音板を鍵盤状に並べてマレットで叩いて鳴らす楽器の総称が「木琴」、そしてその木琴の一種の楽器が「マリンバ」ということです。
では次項で「シロフォン」を解説しますが、「木琴」「マリンバ」「シロフォン」それぞれ何がどのように違うのか、次項でまとめて詳しく説明しますね。
2.「シロフォン」とは?発祥や「マリンバ」との違いは?
「木琴」とは、木製の音板を鍵盤状に並べてマレットで叩いて鳴らす楽器の総称です。
「シロフォン」とは、その「木琴」の一種で、ヨーロッパで発展した楽器です。
ですから、「木琴」がありその中に「シロフォン」と「マリンバ」があります。
ですが通常「木琴」というときは「シロフォン」を指しています。
つまり、「木琴」と「シロフォン」は厳密には区分されているのですが、一般的には同じものを指している場合が多いのです。
シロフォンも発祥はアフリカ、その後ヨーロッパで発展しました。
アフリカで生まれた「木琴」が、ラテンアメリカに渡って発展したのが「マリンバ」で、ヨーロッパへ渡って発展したのが「シロフォン」ともいえます。
シロフォンとマリンバは、見た目や音は似ていますが、よくよく比べると全く違う楽器なのです。
◆「シロフォン」と「マリンバ」の3つの違い!◆
①サイズ
全体的にシロフォンよりもマリンバの方が大きいです。
しかも音板や共鳴管の大きさもマリンバの方が大きいのです。
大きいマリンバの方が、音質が柔らかく音量が大きいのです。
②音色
マリンバは柔らかい響き、シロフォンは甲高く硬い音が特徴で、これは調律の違いによるものです。
シロフォンの調律は奇数倍音です。
3倍音が基本で、低音域では7倍音も調律されています。
マリンバの調律は偶数倍音です。
4倍音が基本で、低音域では10倍音も調律されていています。
マリンバはシロフォンに比べて調律による豊かな低音が特徴なのです。
③演奏方法
シロフォンもマリンバもオーケストラなどで演奏されます。
しかし、マリンバに関しては豊かな響きと大きな音量があることから、ソロ楽器としての活躍が増えてきています。
マレットの数も違い、マリンバは通常両手で2本~4本で、多いときでは6本で演奏します。
シロフォンは基本的には両手で2本、つまり片手で1本ずつなのですが、まれに4本や6本となる場合があります。
それでは、上記3点の違いを考慮しながら実際の演奏を比べてみましょう。
まずはシロフォンから。
【シロフォンの演奏】
そしてマリンバをどうぞ。
【マリンバの演奏】
音の質が全く違いますよね。
それでは、今度はマリンバとシロフォンを同時に演奏した動画をご覧ください。
マリンバとシロフォンが並んでいますので大きさの違いもよくわかりますよ。
【シロフォンとマリンバの演奏】
やはりマレットの数も、マリンバの方が多くシロフォンが少ないですね。
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まとめ
以上が「木琴」と「マリンバ」と「シロフォン」の違いなどについてでした。
木琴とは鍵盤上に並べた木製の音板を叩いて鳴らす楽器の総称で、マリンバもシロフォンも木琴の一種です。
アフリカ発祥の木琴が、ラテンアメリカに渡り発展したのが「マリンバ」、ヨーロッパに渡り発展したのが「シロフォン」ともいえます。
ただし一般的には「木琴」というと、シロフォンを指すことが多いです。