「関連」と「関係」、よく似た言葉なので使い分けが難しいですよね。
実はこの二つ、意外な違いがあるのですよ!!!
ということで、今回は「関連」と「関係」の意味の違いや使い分けなどについて調べてみました。
1.「関連」と「関係」の意味の違いと使い分けは?
まずは、広辞苑から。
・かかわりつながること。かかわりあうこと。連関。
【関係】
・あるものが他のものと何らかのかかわりを持つこと。その間柄。
(一部省略)
広辞苑だけでは、分かりにくいので3項目に分類してわかりやすく説明します。
【①人との関わり】
「関係」の意味に「間柄」という説明があります。
「間柄」とは、人間どうしの関係を意味しています。
ですから「関連」は基本的に人の関わりには使いませんが、「関係」は物のほかに人との関わりに使います。
たとえば、「関係者」という使い方はしますが「関連者」という使い方はしませんよね。
ですから、人と人どうしの関わりについても「親子関係」「師弟関係」「人間関係」というように「関係」を使います。
「親子関連」「師弟関連」「人間関連」とはいいません。
【②「連」と「係」の違い】
「連」は「つらなる。つながりあう。結びつなぐ。続く。」という意味があります。
「係」は「かかわり。かかわりをもつ。つながる。」という意味です。
ということで、「関連」の方はつながり合いがあって続いていく場合に使われ、「関係」の方は少しでも関わりがあるのであれば使うことができます。
つまり、大きな枠に「関係」があり、その中に「関連」があるということ。
たとえば「美容関連の仕事」といえば、「美容」について同等につらなり合うような仕事のことをいい「美容師」「エステティシャン」「ネイリスト」といったものがあげられます。
また「美容関係の仕事」といった場合には、もちろん「美容師」や「エステティシャン」なども含まれますがその他に、美容師やエステティシャンが使う「用具」や「薬剤」などに関する仕事や、「美顔器」や「美肌グッツ」に関する仕事も含まれてきます。
【③「関係会社」と「関連会社」の法的な違い】
「関係会社」と「関連会社」という言葉をよく耳にしますが、これは法的にも定義があります。
「関係会社」とは、「親会社」や「子会社」「関連会社」「その他関連会社」を含んだ、財務諸表提出会社と関係のある会社の総称です。
・親会社と子会社
ある程度支配している会社と支配されている会社
・関連会社
子会社以外の重要な影響を与える会社
・その他関係会社
他の会社を関連会社とする会社
2.「相関」と「関連」「関係」との意味の違いと使い分けは?
「相関」を広辞苑で調べます。
①相互に関係しあっていること。互いに影響しあう関係にあること。
②〔数〕いくつかの変量がかなりの程度の相互関係を示しつつ同時に変化していく性質。
「関連」や「関係」は、「関わること」「関わり連なること」がポイントです。
「相関」では関わることに加えて、「互いに影響し合っていること」「相互関係を示しつつ同時に変化していくこと」がポイントです。
たとえば、Aが変化したらAの変化に伴ってBも変化するといったものを「相関」しているといいます。
具体的には、雨が降ると海水浴客が減るというのは、雨の量と海水浴客の数が相関関係であるといえます。
また、この場合は「雨が降る」という「原因」と、「海水浴客が減る」という「結果」が関係していますので「因果関係」でもあるといえます。
つまり、「相関関係」であり「因果関係」でもあるわけです。
また、相関関係には必ずしも因果関係があるとは限りません。
たとえば、幸福度が上位にくる北欧の国々は離婚率が高いといわれています。
この場合は幸福度の上昇と離婚率の上昇は相関関係といえますが、因果関係があるかどうかは不明ですし単なる偶然なのかもしれません。
つまり、離婚するから幸福度が上がるのか、幸福度が上がると離婚するのかなど、原因がはっきりとしないわけです。
お互いの変化が偶然であっても相関関係といいます。
読み方が違うのに意味がまぎらわしい言葉って、意外に多いです。
たとえば「作動」と「動作」、この2つの意味の違いをご存知ですか?
詳しくは、下の記事を覗いてみてください。
まとめ
以上が、「関連」と「関係」の意味の違いや使い分けなどについてでした。
「関連」と「関係」はどちらも「関わること」ですが、人との関わりの場合は「関連」は使いません。
また、少しでもかかわれば「関係」であり、関わり合い連なって続いていく場合は「関連」です。
ですから、「関係」の中に「関連」が含まれます。
読み方が違うのに意味が似ている言葉、たとえば「提言」と「提案」。
「提言」と「提案」の違いをご存知ですか?
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