「工程」と「過程」。
これ、同じ意味だと思っていました…。
「製造の工程」
「製造の過程」
といったように、双方とも違和感がありません…。
ですが、この「工程」と「過程」、実は決定的な違いがあるようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「工程」と「過程」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「工程」と「過程」の意味の違い!
最初に、「工程」と「過程」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「過程」とは、物事が進むありさま、また、進む道筋のこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「工程」の意味とは!
「工程」は、物を作る作業を進めていく順序やはかどり具合のこと。
ポイントは、「物を作る」という部分。
要するに、何かを作ること、製造や工事に対して使う言葉です。
たとえば、工場見学をすると、工場の方が製造に関する順番や方法などをわかりやすく説明してくれますよね。
こういった、製造の順番が「製造工程」ということ。
あとは、「はかどり具合」に対しても使います。
たとえば、「工程が遅れている」「工程遅延」といった使い方。
ということで、「工程」は、物を作る、その仕事の順番のことです。
②「過程」の意味とは!
「過程」は、物事が進むありさまや、進む道筋のこと。
ポイントは、「物事」という部分。
つまり、物作りの進むありさまも含まれますし、それ以外の、人の成長のありさまなどにも使うのが「過程」です。
ですから、物作りに関しては「進む道筋」の意味がある「過程」と、「作業の順序」の意味がある「工程」は同じ意味ということですね。
工場見学の際は、「製造過程を説明します」といった使い方もできるということ。
それから、「過程」は物作りだけではありません。
たとえば、人が成長していくありさまは、「成長の過程」といった使い方をします。
あと、よく使うのが生物の進化。
「進化の過程を振り返る」といった使い方をします。
③「工程」と「過程」の違いを整理!
それでは、ここで一度「工程」と「過程」の違いを整理します。
物作りの作業の順序が「工程」。
また、その作業のはかどり具合も「工程」といいます。
物事が進むありさまと、進む道筋が「過程」。
「工程」は物作りだけ、「過程」は物作りも含め物事の進むありさま全てに使います。
2.「工程」と「過程」の辞書での意味!
続いて、辞書による「工程」と「過程」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「工程」の辞書での意味!
【工程】
・物品を作る作業を進めてゆく順序や過程。また、その作業のはかどりぐあい。「製造―」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですね。
②「過程」の辞書での意味!
【過程】
・物事の進行する途中の段階。経過の道すじ。プロセス。「製造―」「成長の―」
引用元:旺文社国語辞典
「物事の進行」とありますので、「物作り」以外も含むということです。
3.「工程」と「過程」の使い方!
次に、「工程」と「過程」の使い方を例文で紹介します。
①「工程」の使い方!
・工程管理の担当者を変更する。
・仕事に入る前に工程表を作成する。
・印刷工程を見直す。
・この作業工程を1人でやるのは無理がある。
②「過程」の使い方!
・答えは正解だが計算の過程が間違っている。
・大人になるまでの過程で性格が形成される。
・本が出来るまでの製造過程。
・判決に疑問があるようだが裁判の過程をみていれば納得できる。
4.「工程」や「過程」には似た意味の言葉がたくさんある!
「工程」や「過程」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「工程」と「過程」の意味の違いと使い分けについてでした。
「工程」は、物作りの作業の順序、また、その作業のはかどり具合のこと。
物作りだけに使えるのが「工程」です。
「過程」とは、物事が進むありさま、また、進む道筋のこと。
「過程」は、物作りにも使えますし、「計算の過程」といった物作りではないものにも使えます。