「還付」や「控除」。
よく税金に対して使われる言葉です。
「還付金」や「控除対象」といった使い方をしますが、どちらも家計にとっては有難い意味があります…。
でも、有難いのは分かるのですが、「還付」と「控除」はそれぞれどのようにお得なのか?という部分が曖昧なんですよね~。
かつては、自分もよくわかっていませんでしたから…。
でも、大丈夫ですよ!
「還付」と「控除」の意味を徹底的に紐解いてみました!
本記事では、「還付」と「控除」の意味の違いと使い分けについて、徹底調査した結果をお伝えしていきます。
計算例を使って、わかりやすく解説していますのでご期待ください!
1.「還付」と「控除」の違い!
最初に、「還付」と「控除」の違いについて端的に説明します。
「控除」とは、お金や数の計算対象から除外することです。
端的に説明するとこういった表現になりますが、さらにわかりやすく解説していきますね。
①「還付」と「控除」を税金に当てはめて解説!
わかりやすくするために、「還付」と「控除」の違いを実際の税金の計算式に当てはめて説明します。
「還付」は税金を支払った後にもどされる仕組みで、「控除」は納税額を確定させる時に除外される仕組み。
どちらも、納税者側にとっては有難いことであることは同じです。
a.「還付」とは!
「還付」とは、給与所得者でいえば、毎年年末調整でもらえるお金のこと。
所得税は月々給料天引きされていますが、年収を想定した額よりも若干多めに天引きされます。
そして、年末の時点で正確な年収を合計し、より正しい所得税を算出し直す仕組み。
そして、多く払い過ぎた所得税を還付金としてもどされるのですね。
給料天引きされて既に支払った所得税が100万円、実際の課税所得が年間で400万円、税率20%だとすると、計算式は下のようになります。
400万円×20%=80万円
100万円-80万円=20万円
還付金は20万円ということですね。
要するに、公的機関からお金がもどされること、それが「還付」です。
b.「控除」とは!
「控除」とは、税金を計算する際に課税対象金額から除外することです。
たとえば、「控除」が38万円だったとします。
そして、年間所得が500万円、税率20%だとすると、計算式は下のようになります。
(500万円-38万円)×20%=92万4千円
この場合、38万円が「控除」されることで、納税額は92万4千円になります。
仮に、同じ条件で控除がない場合は以下のとおりとなります。
500万円×20%=100万円
「控除」がなくなることで、納税額が100万円になりました。
つまり、「控除」があることで7万6千円お得ということです。
②「還付」と「控除」の違いを整理!
一旦、「還付」と「控除」の違いを整理しますね。
「還付」とは、主に公的機関が税金などを元の持ち主へもどすという意味です。
一方の「控除」とは、税金などを計算対象から除外すること。
どちらも、支払う税金がお得になるという意味ですね。
ちなみに、「還付」も「控除」も、数量であれば「税金」や「お金」以外でも使う言葉です。
また、「還付」は「物」に対しても使います。
2.「還付」と「控除」の辞書での意味!
続いて、一応「還付」と「控除」の意味を辞書で調べてみますね。
①「還付」の辞書での意味!
【還付】
・(国や政府が一時的に所有・領有したものを)元の持ち主へもどすこと。「―金」引用元:旺文社国語辞典
最初に説明したとおり「元の持ち主へもどす」という意味ですね。
かっこ書きがあるとおり、公的機関からもどされる時に多く使われます。
②「控除」の辞書での意味!
【控除】
・(計算の対象から)金銭・数量などを差し引くこと。特に全部または一部の収入について課税対象から除外すること。「基礎―」「扶養―」引用元:旺文社国語辞典
「控除」についても、最初の項目で説明したとおり、「計算対象から除外する」ことですね。
「基礎控除」という言葉が例文に出てきましたが、「基礎控除」と「給与所得控除」の違いについては、下の記事をご覧ください。
参考にしていただければ幸いです。
3.「還付」と「控除」の使い方!
今度は、「還付」と「控除」の実際の使い方を例文でご紹介します。
①「還付」の使い方!
・所得税の超過額が還付された。
・公務員を装い、人をATMへと誘導する還付金詐欺に注意。
・還付加算金とは税金に利息が付けられてもどされること。
・事件で押収された証拠品は還付される。
・山東還付問題は大正時代に起きた紛争。
②「控除」の使い方!
・基礎控除は一律38万円。
・年間の医療費が10万円以上になれば医療費控除が適用になる。
・サラリーマンが寄付金控除の適用を受ける場合は申告が必要。
・寡婦控除は、寡婦のハンディキャップに着目した制度。
・様々な控除を適用することで税金がお得になる。
4.「還付」や「控除」には似た意味の言葉がたくさんある!
「還付」や「控除」には似たような意味の言葉が結構あります。
たとえば、「免除」。
「免除」は「○○を免除される」というように、するべきことをしなくてもよくしてもらえるといった意味です。
税金にたとえるなら、支払うべき税金が支払わなくともよくなるということですね。
ですから、税金に関しては「還付」「控除」「免除」、全部お得な意味があります。
「還付」「控除」「免除」の違いは以下のとおりです。
「還付」は、税金などがもどってくること。
「控除」は、税金などの算定対象から除外すること。
そして「免除」は、税金などを支払う義務をなくすということです。
それぞれは微妙な違いがありますね。
詳細については、下の関連記事をご覧ください。
お金や税金を、集めたりもどしたりといった意味の言葉はたくさんありますよ。
もしよかったら、下の記事も覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてください。
まとめ
以上が、「還付」と「控除」の意味の違いと使い分けについてでした。
「還付」は、税金などを支払った人へもどすという意味です。
「控除」は、税金などを計算対象から外すことです。
どちらも、税金やお金以外でも使う言葉ですが、「還付」については数量以外の物に対しても使います。
たとえば、「押収物の還付」といった使い方をします。