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「滅失」と「毀損」の違いを解説!意味や使い方/使い分けは?

      2018/08/15

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健康保険証をなくしたりしたときに耳にするのが「滅失(めっしつ)」や「毀損(きそん)」です。
ところで、この「滅失」や「毀損」の意味の違いをご存知ですか?
また「紛失(ふんしつ)」や「棄損(きそん)」など、似たような言葉もありますよね?
ということで、今回は「滅失」と「毀損」の意味の違いや、「紛失」や「棄損」との違いについて調べてみました。
 

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1.「滅失」と「毀損」の意味の違いと使い分けは?

ますは広辞苑から。

【滅失】
・ほろびうせること。なくなること。

 
漢字の通り「ほろびてなくなってしまう」こと、また「火事や取り壊しなどで、建物がなくなってしまう」ことです。

たとえば、火事で家が全焼し跡形もなくなったときは「滅失」といいます。

【毀損】
①物をこわすこと。物がこわれること。
②傷をつけること。

 
「毀損」では一部がこわれたり傷つくことはありますが、そのものの存在自体がなくなるわけではありません。

家でいえば、屋根に穴があいたり窓が割れたりするのが「毀損」です。

(使用例)
・器物毀損
・名誉毀損
・被保険者証滅失/毀損再交付申請

「滅失」や「毀損」は健康保険証の取り扱いや、売買契約の中に出てきます。

健康保険証を誤って燃やしてしまったり(滅失)、破損してしまったり(毀損)した場合ですね。

それから売買契約のときですが、特に不動産の売買契約の中に出てきます。

「引渡し前の滅失・毀損」という条文がそれです。

「危険負担」ともいいます。

これはどういう条文かというと、不動産の売買では、契約と同時に建物を引き渡すということは少ないです。

売買契約はしたが不動産自体はまだ引き渡していない、このときに台風や地震などの売主や買主の責任ではない理由で建物がなくなったり(滅失)壊れたとき(毀損)、この損害は売主と買主のどちらが負担するべきだと思いますか??

滅失2

実は日本の民法では、基本的に買主が負担しなくてはいけないことになっています。

つまり買主は、建物を手に入れることができないのに、その高額な建物の購入代金の支払い義務を負うのです。

買主が全責任を負う民法ってなんとなく納得できませんよね。

ですからその釈然としない部分をなくす意味で、「引渡し前の滅失・毀損」という契約書の条項で売主負担の部分を定めておくのです。

この条項では修復可能な毀損の場合は売主負担、建物の引き渡しが不可能となるような甚大な毀損や滅失の場合は売買契約が解除できるようになっています。
 

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2.「紛失」や「棄損」の意味は?「滅失」と「毀損」との違いは?

「紛失」を広辞苑で調べます。

【紛失】
①物がまぎれて所在が分らなくなること。また、なくすこと。
②人の姿を消すこと。逃げ出すこと。

(一部省略あり)

 
「滅失」は物の存在そのものがなくなってしまいます。

所在が分らないだけでどこかには存在しているのだろうというときには「紛失」です。

前項でも触れましたが、「滅失」や「毀損」は健康保険証を再交付してもらうときになどに耳にしますが、「紛失」も同様に耳にします。

ただし「紛失」の場合は、どこかに存在している可能性があることから、警察への届け出も必要です。

滅失1

続いて「棄損」です。

「棄損」は広辞苑には載っていませんが、意味は「毀損」と同じです。

つまり下のとおりです。

【棄損】
①物をこわすこと。物がこわれること。
②傷をつけること。

 
現在「棄損」は広辞苑のほか、多くの辞書に載っていませんので、本来は「毀損」を使うべきなのですね。

「毀損」の「毀」は2010年に初めて常用漢字表に追加されました。

「毀損」という言葉は元々存在していたのですが、当用漢字表やその後の常用漢字表に載りませんでしたので、特に公用文では長い期間使われなかったのですね。

その使われなかった期間は「破損」や「損傷」という言葉を使っていたのですが、新聞用語だけは「名誉毀損」という言葉に限り「名誉棄損」として使われていたのです。

そして2010年、常用漢字に復活した以降は「毀損」が広く使われるようになりました。
 

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まとめ

以上が、「滅失」と「毀損」の違いなどについてでした。

「滅失」とはものの存在がなくなること、「毀損」はものが壊れたり傷つくことです。

「名誉毀損」などの「きそん」は、本来は「毀損」で、使えなかった時代に「毀損」の代替に「名誉棄損」が新聞用語として使われました。

2010年以降は「毀」は常用漢字ですので普通に使われています。

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