「発展」と「展開」。
この2つの言葉、違うようで、実は似ています。
たとえば…。
「話が発展する」といいますし、「話が展開する」ともいいます。
また、「物語が発展する」といいますし、「物語が展開する」ともいいますよね…。
この違いは、いったい…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、この「発展」と「展開」には決定的な違いがありました!
本記事では、「発展」と「展開」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「発展」と「展開」の意味の違い!
最初に、「発展」と「展開」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「展開」とは、物事が大きく広がること、また、物事が次の段階に移っていくこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「発展」の意味とは!
「発展」は、物事の勢いなどが広がって盛んになること、また、物事がより進んだ段階に移っていくこと。
ポイントとなるのが「広がって盛んになる」と「進んだ段階に移る」という部分。
これはどちらも、今までよりも「上がる」「高くなる」「強くなる」といった意味合いです。
要するに「広がる」にしても「進む」にしても、「普通に広がる」「普通に移る」ではなく「上昇しながら広がる」「上昇しながら移る」ということですね。
これが、「普通に広がる」「普通に移る」「展開」との違いです。
たとえば、「経済発展をなしとげる」といった使い方をします。
これは、国の経済がより盛んになって、大きく成長するということ。
ですから、「経済成長」といった言い方もします。
その他には、「家族の話から、政治の話に発展する」といった使い方。
これは、身近な家族の話をしていたら、知らず知らずのうちに政治というスケールの大きい話に移るという意味です。
ただ話題が移るのではなく、今までよりも高い段階の話題に移るということですね。
②「展開」の意味とは!
「展開」は、物事が大きく広がること、また、物事が次の段階に移っていくこと。
「物事が大きく広がる」といえば、勢いが強くなるイメージですが正確には違います。
今まで小さく縮こまった状態のものが、開くイメージ。
握った手は「グー」の状態ですが、その手を開いて「パー」にするイメージですね。
ですから「展開」は、「上がる」「高くなる」「強くなる」というものではなく、実質的には大きさや強さは変わっていないということ。
それから、「物事が次の段階に移る」とありますが、これも移って上がることではなく、ただ別のものに移るということです。
「上がらない」「高くならない」「強くならない」のが「展開」であり、これが「発展」との違いなのですね。
具体的には、「目の前に壮大なラベンダー畑が展開する」といった使い方をします。
これは、美しい景色が広がるという意味ですが、その景色は元々大きいもの。
ですから、実質的なラベンダー畑の大きさは変わっていないのです。
それから、「物語が意外な方向へ展開していく」といった使い方もあります。
これは、物語が予想外の方向へ移るということ。
予想外ではありますが、物語が次の段階に移るということです。
つまり、段階が上がるというものではなく、ただ次に移るということですね。
③「発展」と「展開」の違いを整理!
それでは、ここで一度「発展」と「展開」の違いを整理します。
物事の勢いなどが広がって盛んになる、また、物事がより進んだ段階に移っていくのが「発展」。
物事が大きく広がる、また、物事が次の段階に移っていくのが「展開」。
「広がる」「移る」時に、成長するのが「発展」ですが、成長しないのが「展開」です。
2.「発展」と「展開」の辞書での意味!
続いて、辞書による「発展」と「展開」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「発展」の辞書での意味!
【発展】
①物事の勢い・力が伸びひろがること。栄えること。「町の―に尽くす」
②より高い段階へ移ること。「話が政治問題へと―する」
③手広くさかんに活動すること。特に異性関係がさかんなことや酒色にふけること。「―家」
引用元:旺文社国語辞典
意味①と意味②は説明どおりの内容です。
意味③は説明しませんでしたが、「発展家」の「発展」。
②「展開」の辞書での意味!
【展開】
①大きく広がること。また、大きく広げること。「眼下に美しい風景が―する」
②停滞することなく次々に発展すること。「論旨の―」
③軍隊や体操などで、密集していたものがばらばらに散らばること。「兵が―する」
④[数]積の形の式を、単項式の和の形に改めること。
⑤[数]立体の表面を切り開いて一表面上に広げること。「―図」
引用元:旺文社国語辞典
意味①と意味②は説明したとおりの内容ですね。
意味③はほぼ同じことを言っています。
意味④と意味⑤は、「計算式を展開して解く」や「立方体を展開する」といった使い方をする「展開」ですね。
3.「発展」と「展開」の使い方!
次に、「発展」と「展開」の使い方を例文で紹介します。
①「発展」の使い方!
・イスラエル人の大部分はトルコとの政治的関係が発展することを望んでいる。
・購入者の不満が高まっており、補償問題に発展する可能性も出てきた。
・地域医療や福祉、介護の更なる充実と発展を目指した施設。
・関係者によると、もともと友人関係で、今年の秋頃から交際に発展したという。
②「展開」の使い方!
・東北エリアにおいて先行展開しているビールパレット。
・日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査。
・思いつくままに話を展開していきます。
・無人貸渡しレンタカーサービスの全国展開を開始する。
4.「発展」や「展開」には似た意味の言葉がたくさんある!
「発展」や「展開」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「発展」と「展開」の意味の違いと使い分けについてでした。
「発展」は、物事の勢いなどが広がって盛んになること、また、物事がより進んだ段階に移っていくこと。
大きく、高く、強く、成長しながら、広がり、移っていくのが「発展」です。
「展開」は、物事が大きく広がること、また、物事が次の段階に移っていくこと。
「展開」は、成長することなく、広がり、移っていきます。