杏仁豆腐っておいしいですよね(´艸`*)
ところで、杏仁豆腐の「杏仁」と「アーモンド」って同じ物?それとも違う物?
そういえば、二つは同じ物として紹介されることもありますし、市販の杏仁豆腐の原材料名を見ると「アーモンドエッセンス」と書いてあることもあります。
また、杏仁豆腐のレシピを検索してみると、材料名に「杏仁」の文字が一切なし、代わりに「アーモンドエッセンス」と書いてあることも……ということは、やっぱり「杏仁」と「アーモンド」は同じ物なのかな。
でも杏(あんず)とアーモンドって違う植物だしなあ。
ということで、今回は「杏仁」と「アーモンド」の違いについて調べてみました。
1.「杏仁」と「アーモンド」の違いは?
「杏仁(あんにん・きょうにん)」とは杏(あんず)の仁(じん・さね)のことです。
杏の種から殻を取り除き中身をすりつぶしたものが杏仁霜(あんにんそう・きょうにんそう)または杏仁粉(あんにんこ)なのです。
アーモンドは、ナッツの一種ですよね。
アーモンドの実(種)はアーモンドの木になります。
杏の木にアーモンドの実はなりませんから、「杏仁」と「アーモンド」は全くの別物なのです。
では、なぜ両者はしばしば同じ物として扱われるのか。
実は、杏仁がとれる杏とアーモンドは同じバラ科サクラ属の植物で、その実や種の香りがとても似ているのです。
そのため、杏仁の代用にアーモンドが使用されることがあります。
ちなみに、杏仁は食用の他に漢方薬としても使用されます。
杏仁も種類があり、「北杏仁(苦杏仁)」は味や香りが強く漢方薬用、杏仁豆腐などの食用に使用されるのは「南杏仁(甜杏仁)」という杏仁霜です。
そして、この「南杏仁」からできた杏仁霜に香りが似ていることから代用に使われるのがアーモンドエッセンスです。
このとき注意したいのが、杏仁霜の代用のエッセンスはスイートアーモンドではなくビターアーモンドです。
アーモンドエッセンスと牛乳羹(ぎゅうにゅうかん)で杏仁豆腐を作るときには、ビターアーモンドのアーモンドエッセンスを使います。
といっても、一般的に流通しているアーモンドエッセンスはビターアーモンドですので間違うことはないと思います。
スイートアーモンドは、ミックスナッツなどに入っている食用のアーモンド、私たちが普段ローストして食べているナッツのことです。
ですが、スイートアーモンドが原料のアーモンドパウダーやアーモンドプードルという粉があります。
杏仁霜ではない、スイートアーモンドが原料のアーモンドパウダーで杏仁豆腐を作ると、この場合は「アーモンド風味のブランマンジェ」になってしまいます。
これはスイートアーモンドが原料のアーモンドミルクでも同じです。
これでも美味しいとは思うのですが。
スイートアーモンドが原料のアーモンドパウダーやアーモンドミルクなどを使用し杏仁豆腐を作る場合は、アーモンドエッセンスを加えることで本格的な杏仁豆腐の香りになります。
本物の「杏仁霜」を英語表記で「アーモンドパウダー」としている商品もあり、紛らわしいのですが…。
「パンナコッタ」と「杏仁豆腐」に関してはコチラの記事をどうぞ!
【杏仁霜】
【アーモンドエッセンス】
「杏」と「梅」の違いについては以下の関連記事をご覧ください。
2.「杏仁」の効能とは?
「杏仁」の「北杏仁(苦杏仁)」と、「アーモンド」の「ビターアーモンド」には咳を鎮める効果があります。
前項でも紹介しましたが、「北杏仁(苦杏仁)」は漢方薬の原材料として使われています。
ただ、杏仁には毒もあります。
前項で解説した通り、杏仁とは種のかたい殻の中に含まれる「仁」と呼ばれる種子の部分のこと、ここには遊離シアンや青酸配糖体アミグダリンなど、体内に入る呼吸中枢を麻痺させる毒が含まれています。
なので、自宅などで杏の種を砕いてその中身を食べるのはやめましょう。
危険です。
杏仁豆腐に使用する杏仁は、すり潰して毒性を揮散させてから使用していますので安全です。
まとめ
以上が、「杏仁」と「アーモンド」の違いなどについてでした。
「杏仁」と「アーモンド」は全くの別物ですが、ビターアーモンドのエッセンスは香りが似ているので、アーモンドエッセンスを杏仁霜の代わりに使用することができます。
自宅で手軽に本格的な杏仁豆腐を作りたいときには、牛乳羹にアーモンドエッセンスを垂らすとよいですよ。