日頃、特に意識することなく使っている日本語、違いや使い分けを改めて訊かれると困りますよね。
「なぜ」と「どうして」の使い分けもその一つ、私はいつも無意識に使っていますがそれでよいのだろうか……(。´・ω・)?
ということで今回は、「なぜ」と「どうして」の違いや使い分けについて調べてみました。
1.「なぜ」と「どうして」の違いと使い分けは?
「なぜ」とは、漢字で書くと「何故」で、「理由」「原因」などを問う疑問詞の中の副詞です。
また漢字の「何故」は、「なぜ」のほか「なにゆえ」とも読みます。
「どうして」とは、漢字で書くと「如何して」で、こちらも疑問詞の中の副詞ですが、この漢字は「いかにして」とも読むとおり、「理由」「原因」を問うだけでなく「方法」「経過」「経緯」を問う意味もあるのです。
広辞苑によると、「どうして」の意味は5つありました。
①どんなふうにして。いかにして。
②なぜ。
③それどころか。
④感心している語。いやはや。
⑤(多く重ねて用い、相手の言葉を強く否定する)とうてい。もってのほか。
①は「どんなふうにして」という方法、②は「なぜ」と同じ理由や原因を問う疑問詞です。
「なぜ」は「理由」「原因」を直接的に問う疑問詞ですが、「どうして」は「理由」「原因」だけでなく、「どんなふうにして」という意味があるように「方法」「経過」「経緯」を問う疑問詞でもあります。
「なぜ」ではなく「どうして」と訊かれた場合は、「原因」のほかに「経過」「経緯」を答えることができますので、その事態にいたった流れを細かく説明できる分、ミスを問われる側は少し気が楽になりますね。
つまり「なぜ」よりも「どうして」の方が、同じ理由や原因を問うにしても間接的で柔らかい印象になります。
また、「なぜ」は文語的、「どうして」は口語的です。
ですから文書を作成する場合は「なぜ」を使うことが多いです。
失敗を「なぜ」や「どうして」で問われた場合、ひとつ気をつけなくてはいけないことがあります。
失敗の「理由」「原因」の説明を始めると、「言い訳をするんじゃない!!」と激怒される場合もあります。
こういった場合は、「責任を認めて」ひたすら謝り、「理由」「原因」を説明しましょう。
2.「なんで」とは?違いと使い分けは?
「なんで」も「なぜ」や「どうして」と同様、「理由」「原因」を問う疑問詞の中の副詞ですが、「なんで」は口語的でくだけています。
つまり「なんで」は、「なぜ」「どうして」と比べても丁寧ではないということです。
会話では使いますが、文章を書くときには基本的には使いません。
たとえば論文やレポートを書くときには「なんで」ではなく「なぜ」を使います。
また、「なんで」は目上の人の前や目上の人に対しては使いません。
ぞんざいで、丁寧ではない疑問詞だからです。
まとめ
以上が、「なぜ」と「どうして」の違いや使い分けについてでした。
「なぜ」も「どうして」も理由や原因を問う疑問詞ですが、「なぜ」の方が直接的に理由や原因を問う疑問詞です。
「どうして」には方法や経過・経緯の疑問も含まれるため、やや間接的であり、遠まわしに理由や原因を問うことができます。
相手を責めたり追求したりせず失敗の理由を知りたいというときには「どうして」を使うことが多くなります。
反対に、実験やビジネスの場で失敗の理由や原因を明確に知りたいときには「なぜ」を使うことが多いですね。
また、文語では「なぜ」、口語では「どうして」や「なんで」を使います。
普段無意識に使う言葉について説明しましたが、同じような言葉で「くらい」と「ぐらい」について調査した記事がありますよ!
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