名刺をもらった時など、部長や課長、係長というのはわかります。
でも時々、「主査」や「主幹」といった役職の人がいます。
この「主査」や「主幹」の方々は、「係長」や「課長」とくらべてどういった地位なのでしょう…。
ということで今回は、「主査」と「主幹」の意味の違いや地位などについて調べてみました。
1.「主査」と「主幹」の意味の違いや地位は?
とりあえず、「主査」と「主幹」を辞書で調べてみます。
・中心となって調査や審査をすること。また、その役の人。
【主幹】
・中心となってある仕事を行い、まとめる人。
はっきりとした役職の定義はないのですが、共通しているのはどちらも「リーダー的な存在」であること。
また、地位はどっちが上なのかの定義もありませんね。
それから「主査」は、調査や審査となっているとおり限定的な仕事を意味していますが、実際には限定されているわけではありません。
①公務員の「主査」と「主幹」の違い!
それでは、公務員の「主査」と「主幹」についてです。
中央省庁には「主査」は存在しますが、基本的に「主幹」という役職はありません。
中央省庁の「主査」の位置づけは、主に「係長」クラスで、「課長補佐」クラスの場合もあります。
主査=係長クラス
地方公共団体には「主査」も「主幹」も存在します。
県庁や市役所など、地方公共団体の「主査」の位置づけは、主に「係長」クラスで、主幹は主に「課長補佐」クラスです。
ですから、地位は「主幹」の方が「主査」よりも上になります。
主査<主幹
主査=係長クラス
主幹=課長補佐クラス
基本的に、中央省庁には「主幹」は存在しませんが、例外もあります。
たとえば、内閣法制局の総務主幹は、課長よりも上で官房長クラスです。
また、議院法制局の法制主幹は、部長クラス。
ほかには、国立国会図書館の主幹は、次長クラスです。
②民間企業の「主査」と「主幹」の違い!
続いて、民間企業の「主査」と「主幹」についてです。
民間企業での「主査」と「主幹」の位置づけは、その会社によって微妙に異なります。
一般的な民間企業の地位は以下のとおり。
主任→係長→課長→部長
この中で、「主査」は係長から課長までの間に位置する会社が多いです。
また、「主幹」を置く民間企業は少なくなりますが、位置づけは課長クラスからそれより上となり、通常は「主査」よりも上の地位となります。
主査<主幹
主査=係長~課長クラス
主幹=課長クラス~
会社によっては「主幹」が役員クラスの場合もあります。
たとえば、報道機関の論説主幹といった役職は取締役クラスの場合が多いです。
2.「主管」とは?「主幹」との意味の違いは?
「主幹」の説明をしましたが、同じ読み方で「主管」という言葉があります。
そこで、「主管」の意味についても調べてみました。
まずは、辞書での「主管」の意味から。
・管轄、管理の中心となること。また、その役の人。
(以下省略)
「主幹」が、「中心となってある仕事を行い、まとめる人」であるのに対し、「主管」は「管轄、管理の中心となること。また、その役の人」です。
中心的な役割ということで、すごく似ています。
また、「管轄、管理の中心となる役の人」、ですので「主幹」同様に役職の名称になりそうですが、実際にはあんまり役職名では使われていません。
役職のような個人的な使い方よりは、組織や団体に対して多く使われます。
たとえば、「主管官庁」や「主幹事業」、「主管イベント」といった使い方をします。
ですから、公的機関であっても民間企業であって使いますし、企業でなくても使われます。
ということで、「主管」と「主幹」の違いをまとめます。
「主幹」は「仕事の中心」であるのに対し、「主管」は「管轄、管理の中心」といった違いがあります。
わかりにくのですね。
簡単にいえば、仕事には「ライン(命令側)」と「スタッフ(補佐側)」がありますが、「主管」はライン寄り、「主幹」はスタッフ寄りといった関係。
あくまでも「寄り」ですよ。
「主幹」であってもライン管理職である場合もたくさんありますから。
それから、「主管」は主に組織であり、「主幹」は人物をあらわしています。
会社の役員関係については下の記事をご覧ください!
まとめ
以上が、「主査」と「主幹」の意味の違いなどについてでした。
その組織によって「主査」と「主幹」の位置づけは色々ですが、一般的には、主査は係長クラス、主幹は課長や課長補佐クラスの地位です。
ただし、幅がありますよ。
また、会社によっては、本店の主査と支店の主査では地位が違う場合もあります。