今回は「娘」の語源や敬称などについて調べてみました。
「息子」には「ご子息様」や「せがれ」という呼び方がすぐに浮かびますが、「娘」の敬称や謙譲語ってぱっと思いつきませんよね。
愚息ということは……愚娘?聞いたことないなあ(;´∀`)
ということで、さっそく調べてみましょう。
1.「娘」の語源・由来は?
「娘」は古語「産す(むす)」に由来します。
君が代の「苔のむすまで」の「むす」です。
この「産す(むす)」には、生じる・発生する・増えるなどの意味があります。
実は「息子」も同じ「産す(むす)」からきていて、「産す+女(め)」→「娘(むすめ)」、「産す+子」→「息子(むすこ)」となりました。
江戸時代に記された古事記伝には「男は牟須古(むすこ)、女は牟須売(むすめ)と訓むべし。」という一節があります。
江戸時代にも「娘」は「むすめ」と読んでいたのですね。
2.上司の娘、何と言えばいい?
「娘」の敬称は、
・お嬢様
・ご息女様(ごそくじょさま)
・○○様
などなど。
または、目上であっても気安い関係であれば「お嬢さん」や「娘さん」でもよいでしょう。
目上ではないけれど人の娘を呼ぶとき(ご近所さんとの世間話や親戚同士など)には「娘さん」がよいです。
例:「娘さんは元気にしてる?」
手紙やスピーチでは「ご令嬢」「お嬢様」「ご息女様」と呼んでください。
3.「娘」の謙譲語は?
自分の息子をへりくだるときには「うちのせがれがお世話になっています」など、「せがれ」や「愚息」を使いますよね。
では「娘」は?
「娘」の謙譲語ってあまり聞いたことがないなあと思ったので調べてみたところ、娘は「娘」のままでよいそうです。
これは、男尊女卑の名残、「娘」という言葉自体にへりくだった、というか、「息子」よりは下という意味があるためです。
娘に「愚」をつけると、へりくだりの二乗になってしまい、「そこまでへりくだらんでも……(´・ω・`)」となってしまうので、「娘」は「娘」のままでよいそうです。
あまり使いませんが、「娘」をへりくだるとき「愚女」を使うことがあります。
「愚女」と書いて「ぐじょ」と読みます。
「拙女(せつじょ)」を使うこともありますが、あまり使わないかなと思います。
「愚女」や「拙女」の「女」は娘の意味です。
なので、妻のことを「愚女」や「拙女」とは呼びません。
もしよかったら、参考にしてください。
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まとめ
以上が、「娘」の語源や敬称についてでした。
上司の娘には「ご息女様」や「お嬢様」を使ってください。
ご近所さんとの世間話程度なら「お嬢さん」や「娘さん」がよいでしょう。
自分の娘に対しては「娘」もしくは「愚女」を使います。
一般的には「娘」かな。
名前や「長女・次女」でもよいですが、名前には「ちゃん」や「さん」はつけないでくださいね。