日本国憲法には公布日と施行日がありますよね。
公布日が1946年11月3日、今の「文化の日」で、施行日が1947年5月3日「憲法記念日」です。
憲法も含め法律には「公布日」と「施行日」があります。
では、「公布」と「施行」はどう違うの?法律が効力を持つのは公布日?それとも施行日??
ということで、今回は法律の「公布」や「施行」の違いなどについて調べてみました。
1.法律の「公布」「施行」「制定」「適用」の意味の違いとは?
「公布」とは、「成立した法律・命令・条約を発表し、国民に周知させること。官報によって行われ、成文法はその後に施行するのが原則。(広辞苑より)」です。
「施行」は「法令の効力を現実に発生させること。(広辞苑より)」です。
つまり、国民に「こういう法律ができますよ」と周知させることが「公布」で、「今日からこの法律を破ると罰則ですよ」といったように法律を実施することが「施行」ですね。
「制定」は「憲法・法律・規則などを所定の立法機関が所定の手続に従って定めること。(広辞苑より)」です。
つまり「制定」とは、国会で採決し法律を定めることですね。
なので、順番でいえば、まず法律が「制定」され、その後「公布」、そして「施行」されるというわけです。
「適用」とは「(法律・規則などを)あてはめて用いること。(広辞苑より)」です。
法律が施行された後に、法律を個別の対象にあてはめ判断したり扱うことが「適用」ですね。
2.「公布」から「施行」まで期間があく理由は?
日本国憲法でもそうですが、公布から施行までは半年や一年など、期間があくことが多いです。
これは、国民に法律ができた(改正された)ことや法律の内容を周知するための期間をきちんと設けるためです。
公布日と施行日は、法律ごとに個別で決めることができます。
また、公布日と施行日が同じということもあります。
【テロ対策特例措置法】
2001年10月29日成立・制定
2001年11月2日公布
2001年11月2日施行
緊急性の高い法律については公布日と施行日の期間が少なかったり、同日施行のことが多いです。
テロ対策特例措置法は2001年9月11日の「アメリカ同時多発テロ事件」を受け、アメリカがアフガニスタンへ侵攻、そのテロ対策の後方支援をするために緊急的に作られた法律です。
反対に、公布日から施行日までの期間が長いこともあります。
【憲法改正の国民投票法】
2007年5月18日公布
2010年5月18日施行
国民投票法のように国民に広く周知しなければいけない重要な法律では、公布日と施行日の間が長いことが多くなるようです。
施行日は法律の附則に「この法律は○年○月○日から施行する」と明記されることが多いですが、明記されていないときには公布の日から起算して20日を経過した日が施行日となります。
「議決」と「決議」の違い、「審議」と「協議」の違いに関してはコチラの記事をどうぞ!
まとめ
以上が、法律の「公布」や「施行」などについてでした。
新しい法律ができたり、法律が改正されるときは、まずは法律が「制定」され、その後「公布」されます。
そして「施行」され、効力を持つようになるのです。
施行された法律を個々の対象に当てはめることが「適用」です。
公布日と施行日や、その間の期間は法律ごとに決められます。