「寄付」と「寄贈」、どちらもお金や品物を贈ること、それも無料で贈ることです。
学校のピアノやよく分からない彫刻なんかに「○○より寄贈」というように書いてありますよね。
では「寄付」と「寄贈」の違いは?というと……あれ、どう違うんだろ(・・?
ということで、今回は「寄付」と「寄贈」の違いなどについて調べてみました。
1.「寄付」と「寄贈」の意味の違いと使い分けは?
辞書では以下のように解説されています。
・金品を贈ること。
【寄贈】
・物品を贈ること。
つまり、「寄付」も「寄贈」もどちらも無料で贈ることですが、寄付が「お金」と「品物」を贈るのに対して、寄贈は「品物」を贈ります。
ですから、学校のピアノや病院の備品などには「寄贈」と書いてあることが多いのですね。
そして、「寄贈」とは「寄付」の中のひとつなのです。
「寄付」は、団体や組織、法人や個人に対しても行われるほか、災害時に被災地や被災者を対象とした「義援金」なども寄付のひとつです。
「寄贈」は一般的には、学校や図書館などの教育機関や病院などの医療機関に対して品物を贈る場合に使われることが多いです。
「寄付」と「寄贈」の違いや使い分けをわかりやすくまとめます。
②「寄贈」とは「寄付」の中のひとつ。
③「寄付」は団体・組織・法人・個人に対して行われるが、教育機関・医療機関に対して行われる物品の寄付を一般的には「寄贈」と呼ぶ。
【税金の話】
「寄付」は、民法上は「贈与」という扱いになります。
また、寄付を受けた側は、当然ですが所得となります。
ですから、寄付は基本的に、贈与税や所得税、また場合によっては法人税などといった課税対象となります。
しかし、その金額や寄付を受ける側の団体によっては非課税となったり税額控除の対象となります。
「寄贈」も寄付のひとつなので、課税に関しては基本的に寄付と同じ扱いになります。
「寄付」も「寄贈」も、どちらも善意の気持ちなのに課税対象はおかしいのでは?と思いませんか?
しかし、仮に寄付や寄贈を全て善意という理由で非課税としたならば、巨額の現金や不動産などを寄付や寄贈することにより相続税や贈与税、法人税や所得税などから逃れることができてしまうのです。
「寄付金控除」や「ふるさと納税」に関しては、コチラの記事をどうぞ!
2.「贈呈」「進呈」「寄附」とは?意味の違いと使い分けは?
まずは「贈呈」と「進呈」の辞書の解説から。
・人に物を贈ること。
【進呈】
・人に物を贈ること。
ということで、「贈呈」も「進呈」もどちらも「人に物を贈ること」で意味は同じです。
一般的には「物」ですが、目録として現金などの場合もあります。
そして、組織や団体も含む「寄付」や「寄贈」とは違い贈る相手は「人」に限ります。
また、「贈呈」と「進呈」、このふたつを使い分ける際は、使う場面に気をつけなくてはいけません。
「進呈」は「アンケートの謝礼を進呈」というように、どちらかというと形式的ではない軽い場面で物を贈る際に使います。
「贈呈」は「花束の贈呈」というように、儀式や晴れの舞台などスポットライトがあたる場面で、重要なイベントとして物を贈る際に使います。
「進呈」と「贈呈」の違いは、使う場面の重さの違いがあります。
そして、「進呈」「贈呈」どちらも相手を敬った言葉です。
続いて、「寄附」です。
・金品を贈ること。
【寄附】
・金品を贈ること。
ですから「寄付」と「寄附」も意味は同じです。
どちらを使ってもかまいません。
漢字の意味からいえば「付」は「手渡す・与える・ゆだねる・つく」という意味があり、「附」には「(主要なものに)くっつく・くっつける」という意味があります。
・交付、給付、送付、付与
・附属、附帯、附設、附随
ですから「寄付」も「寄附」も同じ意味なのですが、「付」と「附」の漢字の意味を考慮するとどちらかというと「寄付」の方がしっくりきますね。
ですが公的機関でも「寄付」と「寄附」はどちらも使用されています。
つまり、どっちを使ってもよいということです。
「簿価」や「時価」の詳しい内容ついては、下の記事をどうぞ!
まとめ
以上が、「寄付」と「寄贈」の違いなどについてでした。
「寄付」は組織や団体、個人に品物やお金を贈るときに使います。
「寄贈」は「寄付」のひとつであり、特に教育施設や医療機関に品物を贈るときに使います。
被災地への義援金も「寄付」のひとつです。
人に贈る「進呈」と「贈呈」では使う場面に違いがあり、軽い場面では「進呈」、表彰式や結婚式などの儀式で花束などを贈るときには「贈呈」です。
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