「石炭」と「コークス」、この二つって同じものだと思っていました。
「石炭」の英語が「コークス」だと思っていたのですが、よく考えたら「石炭」の英語は「コール(coal)」ですね(^^;)
あれ?だったら、「コークス」は一体何?何者だ??
ということで、今回は「石炭」と「コークス」の違いについて調べてみました。
1.「石炭」と「コークス」の違いは?
「石炭」とは、「過去の植物が地殻中に埋没・堆積し、漸次分解・炭化して生じた物質。(広辞苑より)」のことです。
要は、大昔の植物の化石で、植物からできた鉱物です。
「コークス」とは、石炭を高温で蒸し焼きして炭素部分だけを残した燃料のことです。
石炭を高温で蒸し焼きにすると、石炭に含まれる硫黄やコールタール、硫酸、アンモニアなどが出ていき、炭素が残ります。
コークスは石炭よりも発熱量が多いため、石炭よりも高温になります。
そういった理由から、効率の高い燃料として鉄鋼業などの重化学工業で使われます。
そのほか、高圧ボイラーなどの燃料にも使われます。
日本でも、1970年代までは学校などでコークスを燃料にしたダルマストーブを使用していました。
また石炭を燃やすと、石炭に含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物が大気中に放出され、大気汚染の原因になるのですが、コークスに加工することで有害物質の多くを取り除くことができるのです。
ということで、「石炭」から「コークス」にすることで比較的クリーンな燃料となることも大きな利点です。
コークスを漢字で書くと、「骸炭(がいたん)」です。
【コークス】
「ロック」と「ストーン」の違いについてはコチラの関連記事をご覧ください!
2.そもそも石炭は昔の木だとすると「石炭」と「木炭」の違いは?
木からできる燃料には石炭ともう一つ、「木炭」がありますよね。
原料が「木などの植物」という点では、石炭と木炭は同じですが、「石炭」は大昔(数億年前)の木、「木炭」は現在の木という違いがあります。
「石炭」は、数億年前に生えていた木が倒れ積み重なり、さらに地中の圧力によって押しかためられ炭化したもので、鉱物の一種です。
ただし植物が空気に触れながら朽ち果てると石炭にはなりません。
なので、海や湖、沼地の近くなど、なるべく空気に触れずに地中に埋まってしまうような環境で石炭ができました。
「木炭」は、木材を酸素を供給せずに加熱し炭にしたものです。
つまり、木が燃え尽きないように蒸し焼きにするということです。
木炭には白炭と黒炭があり、有名な備長炭は白炭です。
樫などを1000℃以上の高温で焼いて作る炭。火はつきにくいが、火持ちはよい。
【黒炭】
クヌギ、コナラなどを400~700℃で焼いて作る炭。着火しやすいが、火持ちは悪い。
焼き鳥屋さんでよく使われるのが白炭、火鉢や囲炉裏には黒炭が使われます。
また、備長炭の着火に黒炭を使用することもあります。
【備長炭(白炭)と黒炭 燃焼の違い】
「石」の説明をしてきましたが、もう少し小さい「砂」と「砂利」の違いに関してはコチラの記事をどうそ!
まとめ
以上が、石炭とコークスの違いなどについてでした。
コークスは石炭を加工して作ります。
石炭よりも高温になるため、鉄鋼業などの燃料に使われます。
しかも、製鉄所などではコークス炉の熱を利用した自家発電などにも活用されています。
ほかにも以下のような記事がありますよ!
もしよかったら、覗いてみてください。