「石膏」というと、粉を水で溶いて顔などに塗り固めて、型を取ったりするのをテレビでみます。
骨折したときのギプスも「石膏」だったような…。
そして「セメント」というと、これも粉を水で溶いから建築用に使って固めるやつです。
この「石膏」と「セメント」は成分が似ているといったうわさが…。
もしかして、同じ物なの??
ということで、今回は「石膏」と「セメント」の違いについて調べてみました。
1.「石膏」と「セメント」の違いとは!混ぜるとどうなる?
①「石膏」とは!
「石膏」とは、硫酸カルシウムが主な成分の鉱物のことです。
かたい石膏は、水を合わせると固まる性質を利用したものです。
また、火に強いのも大きな特徴です。
主に建材に使われます。
建材のほかに、骨折したときのその箇所をガッチリと固定する「ギプス」が石膏です。
②「セメント」とは!
「セメント」とは、石灰岩などを粉砕した石灰などが主成分で、土木建築用の接着剤のことです。
石灰石を多く使っていますので、炭酸カルシウムが主成分ということになります。
このセメントも水を合わせることで、石のように固まります。
そして、セメントも火に強く燃えることはありません。
③「石膏」と「セメント」の違い!
「石膏」と「セメント」は、水が混ざると固まるし、火に強いのは共通の特徴です。
しかし、石膏は硫酸カルシウムが主成分、セメントは炭酸カルシウムが主成分であり、違う物質であるということです。
それから、セメントは固まるまで数十時間かかりますが、石膏は数十分で固まります。
ですから、石膏を使用した工業製品は早く固まるので大量生産向きといえます。
ただし、セメントの固まる時間を早める技術として「セメント」に「石膏」を混ぜるという技術があります。
ただし、これは専門的な知識が必要な技術ですので、一般的には行われません。
2.セルフレベリング下地における「石膏」と「セメント」の違いは?
「石膏」や「セメント」は建物の下地にも使われます。
下地には、コンパネなどの木質系や、モルタルや土間コンクリート、石材系や金属系などがあります。
そのほかに、セルフレベリング床といった下地もあります。
セルフレベリングとは「自己水平」のこと。
つまり、材質自らが自らの力で水平になるといった性質がある下地です。
液状ですので流動性が高く、流して固めるのですね。
セルフレベリング下地は、吸水性がよいことから湿気に強く、接着剤との馴染みがよいといった特徴がありまあす。
そして、このセルフレベリング下地は「石膏系」と「セメント系」の2種類に分けられます。
セルフレベリング下地の「石膏系」と「セメント系」の違いは、「石膏系」のほうが若干強度が低いということです。
ですから、強度が低い「石膏系」のセルフレベリング下地は、ビニル床材の下地には適していません。
また、「セメント系」のセルフレベリング下地は、強度が高いとはいうもののモルタルやコンクリート系の厚い下地に比べれば弱い場合がありますので注意が必要です。
また、「石膏系」は比較的早く固まりますが「セメント系」は固まるまで時間がかかります。
季節にもよりますが、寒い季節で「セメント系」で乾燥まで2週間以上かかる場合があります。
「ロック」と「ストーン」の違いについてはコチラの関連記事をご覧ください!
まとめ
以上が、「石膏」と「セメント」の違いについてでした。
「石膏」は硫酸カルシウムが主成分、「セメント」は石灰岩なので炭酸カルシウムが主成分です。
ですから、まったく違う物質ですね。
「石膏」は固まるまでの時間が短く、「セメント」は固まるまで長い時間がかかるというのが違いです。
ただし、「石膏」も「セメント」も水が混ざることで固まりますし、火に強いことから建材などに使われということが共通しています。